研修医の声
庄内グルメツアー②「由良あなごってなんだなや?」
今週から新しい学生さんを迎え、心新たに荘内病院PRは控えめに(先生方すみません)、庄内PRに勤しむ我々研修医陣。
週一で庄内のグルメを堪能する庄内グルメツアーを通じて、地の物を提供するお店をメインにめぐり、その地域ごとの特性であったり、庄内の名物「とち餅」を各地で食べたりと鶴岡を学びつくしているところです。
庄内グルメツアーの始まりは、こころの医療センターの研修医Nが発足させたLINEグループで、彼の行きたいお店に行きましたということで以前記事を上げましたが、今では「初めて鶴岡に来た人に鶴岡を堪能して貰える為の、地の物を多く取り扱っているお店をメインとした最良のセットリストを探求する」ぷち旅に姿を変えています。
先日も羽黒のお蕎麦屋さんに行き、そこのメニューが英語併記で...この辺は今度記事にしますかね。ネタが豊富ですから。
昨日もグルメツアーを、学生勧誘という大義名分を掲げて開催しました。
今来てくれている学生さんは地元の鶴南出身1人と、他県出身1人。
2人とも素直でいい子達で楽しくお酒を飲みながらうちの勧誘。
研修のフレキシブルさと庄内の食文化にすぐ触れることが出来る立地条件と全国的にもベスト10らしい福利厚生(F先生調べ)をごり押ししながらお話しました。
今回訪れたお店はさしみーや
美味しいお刺身がウリで、地酒もまずまず。どちらかと言えば全国のお酒がメインで取り扱っています。
地酒にのみ飽きた地元民が好んでいくようなお店でしょうか。
以前東医体で飲んだことのあるお酒も久しぶりに飲めて楽しかったですし、何より私が今イチオシの大山・十水が置いてあるというのもまたいい!
学生さんも生ガキを頼めて、満足していただけたようです。
本当に美味しかった・・・けれどどれが地の物かわからなかったのが庄内グルメツアー的にはミスだったな、と。
鶴岡っぽさが少ない、、、ということで鶴岡っぽさがあるお店にもう一軒お邪魔して今日は締めよう、続いて、鶴岡の夜中にやってるお店へ、と言うことでかこへ。
ここで学生さんと一悶着。
「僕、由良あなご大好きなんですよ。」
こう口を開いたのは、生まれも育ちもバリバリの鶴岡人の学生さん。
私「ええっ?あの苦くて気持ち悪い味のやつ?何がうめなや?コゲでで体さもわりろや」
バリバリ「その苦いのがうまいんじゃないですか。癖がある感じがむしろ美味しいですよ。」
あれれ、由良穴子論争に関しては以前もしたことがある。
なんなら最近、ばあちゃんちでだ。
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おじちゃん「このめや、由良あなご食ってや、うんめぇっけわ。」
私「え?あれただにんげだけでね?内臓飛びででで何がうめがわがんねっけぜ?」
おじちゃん「いやいや、カリカリしてでうめっけっちゃや。」
私「かりかりって、おめ、それ味でねーろや!!!!!!」
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以前は味で無く食感がいいと言うことで由良穴子の良さを語られたが、今回はまさか味の良さを語られた。
以前協力型のKくん、Mさんと行った際は由良「あなご」というフレーズから、穴子のかば焼きを連想し、出てきたそのグロテスクな見た目と、ぱっさぱさであなごという名称がまさにあなごに申し訳ない程の旨味といっていいのか疑問が残るその苦々しい味に絶句し、泣く泣く私が残飯処理を引き受ける羽目になったのだ。
食感さえもまずく感じさせる程におぞましい味を放つ由良あなご。
その味が良いと言われて私が過敏反応するのはよもや必然とも言えよう...なんてことを考えながら、
私「由良穴子うめぐねって!!!」
バリバリ「おいしいですって!!!」
食い気味なごり押しだった。
平行線を辿るディベートと言うには程遠い意見の衝突を繰り返しながらも歩は進み、かこへの距離は徐々に近づく。
F氏はこの話を聞き無邪気に、「え、気になる。食べてみたい。どんななのかなぁ」なんてリアクション。
気を付けろ、戦いはもう目の前だ。そんな期待は一挙に吹き飛ばされるぞF。
そうして到着、すぐさま頼む由良穴子。
私「俺はたべねぞ」
K「俺は食べないぞ」
2人が早々に戦線離脱を表明しながら、爛々と待つ学生二人とF氏。
しばらくしてブツが届く。
お気づきになられただろうか、、、、白いのがぴろーんとしているその異形さに、、、
見ただけで味を思い出し「うぇっ」となる。
醤油をかけてお召し上がりくださいと、これ見よがしに大根おろしとレモンが添えられているが、私は大根おろしだけ食べたいぞ。
いの一番に箸に手を付けたのは、学生さん2人だった。
バリバリ「これはいつもより臭みが少なくて食べやすいですね。もっと臭みがあった方が好みですが、十分に美味しいです」
学生(他県)「おいしい。」
おいおい、まさかの高評価。ほんとで、、、?
バリバリ「やはりレモンが合いますね。大根おろしもまた格別。これに醤油をかけたらもう止まりませんわ。」
食レポをさらりとこなすバリバリに促されるように、次に手を付けるはF氏。
「うん、美味しい!」
とファーストバイトで高評価。
ここらで私も「本当に美味しいのでは、、、前回のが外れ個体か?」そう思い一瞬手を付けようかと迷ったが、それ以上に手が早かったのがKくんだ。
前回一口目で挫折した彼がまさかまさかのスルリと手を付けさくっと一言。
「やっぱ美味しくないよぉ~」
ですよねぇ~~~
学生「えぇ?本当ですか?美味しいじゃないですか」
K「いやぁ、変わらないよぉむりだぁー。。」
続けざまにF氏も一言、
「美味しいけど...1個で十分かな」
癖が強いから、好き嫌いやっぱり激しいみたいですね。
ホルモンみたいなもんでしょうか。
残りは学生さんに平らげて貰いましたが、しかしてこれが美味しいと思う人はどの辺がいいと思うのか少し理解ができませんね、、、
何かに似ている味かと言われれば、何に例えたらいいのかさっぱり頭に浮かばない味ですから。
小さい頃に慣れ親しんでいないと食べづらい味のように思います。
実家では由良穴子が出たことがないですからね、、じいちゃん釣ってこなかったし。
そもそも由良穴子とはなんぞやと調べてみれば、ヌタウナギの一種で深海魚。底引き網の漁師からは嫌われるお魚だそうです。
そもそも珍味とされ、地元民でも知らない人は多くいますし、私も今年こっちに戻ってきて初めて知りました。
お店で食べると高くつきますが、普通にお魚屋さんでは安価で買うことが出来るようで、もっと美味しい調理方法を探してみたいものです。
ただ焼くんじゃなくて、ニンニク利かしてオリーブオイルで炒めて香りを上書きするだとか、煮込んで柔らかくして食べるだとかした方がまだ食べやすいんじゃないでしょうか。
由良穴子最盛期もこれからで、7月、8月、9月。
ちょうど病院見学シーズンでぴったりかもしれません。
・・・・・・私はおすすめしませんけどね。
1年目研修医 佐藤
2018年06月10日