研修医の声
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学生さんだけでなく、病院の方、鶴岡市民の方の目に触れることも増え、流石に遊んだ話ばっかりだと良くは思われ無さそう、、、ということで予め誤解が生まれ無いように私の考えをまとめておこうと思います。
※研修医の分際で...と思われるかもしれませんが、研修医視点でこそ見える部分もあるかと思います。
最後まで読まれれば「ただ遊んでいるだけではない」ということがお分かりになられるかと思います。
鶴岡市の医師不足を誰が解決するのか
鶴岡市の医師不足は今に始まったことでは無く、私が高校生の時からここで働くお医者さんはどこよりも大変だという噂はどこからともなく聞こえてきました。
「実際に忙しいなら医者を増やせばいいんじゃない?その為の待遇を良くしたら来るんだから鶴岡市が頑張ればいいじゃん。」
そうした工夫をしたからといってすぐに増えるほど現実はそう甘くはありません。同額の年俸でここ鶴岡を選んでもらえる程に、鶴岡の魅力は周知されていなかったのでしょうか。
鶴岡市民に「鶴岡市の何がいいの?」と聞いても、「山があって海があって食べ物がおいしい」と答える程度。
確かに最高に美味しい山の幸、海の幸がありますが、同様な場所は何も鶴岡市だけには限らないでしょう。
お金さえあれば何でも買える都市だって日本には数多くあります。そうした都市にも勝つことができるここの良さとは何かと問われた際、誰もが納得できるような答えを出せる鶴岡市民はどれだけいることでしょう。
少なくとも私は20年ほど鶴岡市で暮らし、鶴岡の生活・文化からどういった人間がどういった教育を受けてどう暮らし、どう生涯を遂げるのかを理解してきたつもりです。細切れでは無い、鶴岡市の良さを一連の流れの中で知っています。
鶴岡の良さは一部を切り取るだけでは意味を成しません。鶴岡の暮らしの中にあるからこそ、鶴岡の良さは光るものです。
それ故に鶴岡市民がより鶴岡のことを知り、鶴岡で暮らすことを選べるようになることが医師を増やすこと、強いては人口を増やすことの近道となることでしょう。
理想は鶴岡南高校から医学部への入学者が増え、皆が鶴岡に帰って来てくれること。
その為に鶴岡南高校での教育水準がより高いレベルになることですが...(母校の教育方針で年間何人も医学部に入れるとは到底思えません。)
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5年程前に、院長先生が市に掛け合い荘内病院からの奨学金を発足させました。
鶴南OBで国立大に入ってる学生がメインでその恩恵を受け、不自由なく学生生活を送らせて頂いています。貸していただいた年数の×1.2年間を荘内病院で働けばチャラになるという制度です。
市民感情としてはそんな大金を払うメリットが本当にあるのか、と疑問に思われるかもしれませんが、医師1人の売上と鶴岡市にもたらす経済効果を考えれば1年で病院は元が取れる程です(私が聞いた話では)
奨学金の制度上、奨学生が専門医を取り油が乗った頃...10年、15年経った後に鶴岡の医療を担っていくことでしょう。
ここ荘内病院では後期研修が出来ない科がほとんどであり、専門医を取るためには大学に戻らねばなりません。将来的に●●の専門医だと看板を立てることが出来る医師が来た方が鶴岡市としてもプラスで患者さんも安心でき、その為のバックアップを院長先生も快く認めて下さっています。
そうして後期研修が出来るほどにその科の頭数が揃えば、若いドクターもここを選びやすくなり、活気付く可能性もあるでしょう。
山形大学OBとしては、荘内病院に就職として来る以前に後期研修の数年を荘内病院で消化したいと思うところですが、様々な事情があり難しいと聞きます。
勿論私も三年目以降大学に戻った際にはお偉い方々に掛け合ってみますが、先生方に言わせれば難しいとのこと。
奨学金は10年、15年後の効果を見ている
院長先生は未来を見据えてこの制度を作ったとおっしゃっていました。
「短期的には?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、連携している大学に駆け寄り交渉をしたり、病院転職サイト等に掲載したりと対応しようとしていると聞きます。
私達に常に優しく指導して下さる先生方が、通常業務もこなしながら鶴岡市の為に、病院に人を集める為に頑張っている
志高い先生方によって、鶴岡市の医療は守られています。医者は医者だけをやっているわけでは無いのが実情です。こればっかりは研修医として来て初めて知った事実です。
そんな熱い方々の纏うオーラに当てられ、感化されずにはいられません。
私には何が出来るのでしょう。
麻酔科を回り始めた5月中旬、先生にこう言われました。
病院の活気は研修医で決まるからね。若い子いないとね。
私達研修医の仕事は、各科を回り誰よりも元気に貪欲に学びを求めることと、救急のファーストタッチとして上の先生の負担を減らすこと。
まだ1年目は救急に入ってはいませんが、来るその日に向けて勉学に勤しんでいるところです。(今月も教科書だけで5万円近く投資しましたし...)
私が回った科で担当した患者さんには、これでもかとバリバリの方言で話しかけますし、何ならじじばば相手に抜群の庄内弁を披露する看護師さんを見ると少しライバル視します。
看護師さんに「先生が庄内弁で話してんなみっど落ち着く~。」なんて言われて、いやいや自分よりもドギツイ庄内弁を使いこなしててむしろ負けた気がして落ち着かないぞ、って思ったり。
もう1人の1年目のF氏もコミュ力爆発、コメディカルとも仲良くしています。
研修医の数が多ければ多い程、この病院にいくらか活気をもたらすことができると実感しています。
今の1年目は2人と人数的には寂しく見えますが、自分で言うのもなんですがコミュ力と積極性だけはそんじょそこらの研修医よりも強いと思います。恥も無ければプライドもない。むしろプライドは恥が無くて何でもするところでしょうか。
そろそろ嫌がられてもいいんじゃないかというほどに先生方にアプローチしているにも関わらず、先生方も本当に良くしてくれますし、1年目のF氏は勤務態度が良く先生に認められて、早くにヘルニアの執刀を任された程です。
私達が私達の為の研修をし、2年後に最高の研修医生活だったと言えるように「今」を生きています。
研修委員会も、委員長の鈴木先生を筆頭に研修医ファーストで考えて下さり、充実して過ごせています。
研修医にとって風通しが良く、フレキシブルな環境がここにはある。
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十分に推せるだけの環境があるのに、人数はここ2年奮いません。これが相当に問題案件だと気付けている人は何人いるでしょうか。
現在の医学生は過去の医学生と違い、より高度な情報社会に生き順応している割に、相応の情報リテラシーを持ち合わせてはいません。といっても上の世代になればなるほど現代社会に対応した情報リテラシーは持たなくなりますが、相応に情報社会に疎い為に相対的に釣り合いが取れているとも言えるでしょうか。
今の若い世代こそが現代機器を乗りこなせるほどのリテラシーを持ち合わせておらず、結果として情報に踊らされることも多いものです。
良さそうな噂を真に受けてそのまま損をしたり、悪意ある噂を平気で流して悪意無く風評被害を広めるなんてのもよくあることです。
ここ荘内病院も大学で聞いた話と現実とが全く違ったり、他にも山形市内の病院も研修医の悪評の流布によって人数が激減したり...一度人数が減るような風評被害を受ければ、よっぽどのPRをして誤解を解かない限りはなかなか挽回が難しいものです。
まずは知って貰うことが一番
この病院の正しい評価をして貰うためにはより詳しくこの病院のことを知って貰う必要があるわけです。
とりわけ後期研修以降の医師に関しては私では説明することができません。自らその立場として働いてはいないわけですから。
ですが、今の私の研修医という立場から、学生に一番近しい研修医という立場から、学生目線、研修医目線の双方の視点からこの病院を見つめ、研修医はどういう暮らしをしてどういう学びを出来るのかということを発信していくことはできます。
このブログを通じて鶴岡の食べ歩きなり、鶴岡の文化なり、荘内病院での研修なり、荘内病院研修のありのまま、鶴岡市民の暮らしを紹介していくことは興味を持っていただく為に有意義であると考えます。
学生さんであれば「鶴岡ではどんな美味しいものがあってどんな遊びが出来るのか、実習で来たときにどんなお店に連れていって貰えるのか」をとっかかりに、サークルで鶴岡に合宿に来て頂いたり、夏だからと海で遊びに来てもらえたり、学生実習でここを選んで来て貰えたり、見学に来てもらえたりして、より鶴岡を、荘内病院を知って貰うことがあるかもしれません。
そうして興味を持ち正しいイメージが大学生に浸透することで、荘内病院に基幹型研修医として来てもらえたり、大学から協力型研修医として来てもらえる可能性も僅かながら上がるでしょう。
この論調で行けば私達研修医が学生さんと自腹を切って遊ぶことが、結果的に鶴岡の正しいイメージが浸透し、鶴岡市の救急に貢献することがあるかもしれないということです。
過去に荘内病院で研修医として働いたから、大学から派遣で働いたことがあるからという経緯から、ここに就職して下さる先生方も多くいらっしゃると聞きます。
それ故に、研修医の「今」の勧誘行為は、未来に向けての投資であるという認識はこのブログを読んで下さる鶴岡市民の方々には知っていて頂きたいです。
私達の「今」の全力は必ず未来に繋がることと信じています。
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加えて、私の持つ鶴岡愛、鶴岡への帰属意識は誰にも負けません。
中学の卒業文集で少子高齢化を食い止める、高校の卒業文集で村長になると書いた位ですから
とりわけ、鶴岡をよりよくするためには、1人1人がとにかく行動をして行かねばなりません。
だからと言って私がしているのは、結果に繋がるかもわからない、何人見ているかも分からないブログの更新と学生さんと遊びにいく程度ですが...
それでも私に出来る事は全力で学び、全力で遊び、2年を駆け抜けることしかありません。
より多くの人に見て頂けることを願って、未だ知られざる荘内病院の良さ、鶴岡市の良さをPRして行きたいと思います。
1年目研修医 佐藤
2018年06月17日