研修医の声

麻酔科研修終わりました

先月半ばから五週に渡って麻酔科で研修をさせて頂きました。

選択必修で回った科ではあるのですが、4年で追試&大学の実習内容も中身スカスカでろくにわからず、自分で回ると決めたのにも関わらず苦手な科。

外科志望としては手術する患者さんがどうやって麻酔管理されるのかは知っておかなければいけないなぁとざっくりとしたイメージで回ることに。

どうせ本読んでも日本語に見えないだろうしと、初日は何も予習をせずに臨み、無事に「研修医としてどうなの?」と叱責を...。

しかして変な先入観が無いのもあって、先生方の麻酔の流れ・手技などを客観的に見ることが出来て、先生方の指導もすんなり入ってきて、むしろ理解しやすかったです。

加えて、先生方全員が年代もしくは医局が異なる為に、

「K先生は専ら吸入麻酔、全ての手技がスローモーションだけど丁寧。」「K先生は吸入麻酔より、説明されればわかるけど説明されなければわからない細かい手技の工夫が随所に。」「W先生はペンより爪派」「K先生は静脈麻酔より、とにかく優しい。」

みたいな感じで、その先生が学んだ時代や医局の流行りと得意な麻酔法が異なっており、ただ一つの方法を学ぶというのではなく、それぞれのメリットデメリットであったり歴史的な観点からも教えて頂き、より具体的にイメージしやすかったです。

理由もなしにしていることなど一つもなく、加えて全てに歴史がありどれも興味深い内容でした。

「二か月研修したけど麻酔のことよくわからないままだよ」なんて友達に言われて私も一か月だしよくわからないままだろうなぁと思いきや、面倒見いい先生ばかりでしつこく質問を繰り返す内に一通りのことは理解できたと思います。

また、K先生に、「麻酔というのはトータルで成り立っていれば方法なんて何でもいいんだよ。」「患者さんを起こした時に痛みを感じさせたら麻酔としては失敗なんだ。」と教えて頂き、先生方一人一人の矜持が手技や考え方の一つ一つに見えるようになりました。

そうして先生方の手技の細かな違いに気付き、その意味を考えたり、教えて頂いたりしていくうちに気付けば研修医用のアンチョコ本も読みやすくなっていましたから、教科書内容のほとんども網羅して教えて頂けたようです。

K先生には、「一通りの業務をしてみないと本当にわかることなんてないよ。出来る範囲からやってみて、自発的に学習すること、自分から働くことが何よりも大事だよ」と教えて頂き、お薬の作り方、呼吸器の準備の仕方から、当院では看護師さんがしている血ガス測定も自分でやれるよう教えて頂き、ICも自分でやれる範囲でK先生に許可を頂きやらせて頂きました。

「麻酔の麻酔らしい部分」とは多少かけ離れていると思われるところかもしれませんが、そうしたところをやってみることでわかることもあるものです。

レミフェンタニル0.1ml/hで流す意味なんかは、自分で手を動かしてかつ医学を学んでいる者でなければわからないことかと思います。(実際看護師さんが突っかかってくるシーンを目撃したり...)実務的な面、医学的な面の双方から知らなければ臨床医として働くことは難しくなるように感じます。

手を動かすことと、頭を動かすことを平行することで、教科書の内容が良くわかる、教科書外のこともよくわかる、そう実感しました。

自分でやりたいという意志を示せば、やらせないことはほとんど無い

研修医ファーストの荘内病院の特性が如実に出ていた研修が出来たのは、間違いなくここ麻酔科でしょう。

できることが一つずつ増えていく喜び、わかることが一つずつ増えていく喜びを実感させられました。

といっても、最後までAラインは完璧にはなりませんでしたね...「触れたらそこに、サッとさして、フッって寝せて、スルーっと行く」では僕じゃあできないようです。。ミスの分析だけはかなりいい線まで来ているなとは思いますが...今後も機会を見つけてチャレンジしていくしか無いですね。

人が良い先生ばかりで、「患者さんの為に」を考え続ける方々と一緒に勉強することができ、非常に有意義でした。感謝の言葉が尽きませんね。

来週からは三週間と短い間ではありますが、産婦人科を回ります。

NICUを抱える当院の産科ですから、きっと面白いお話が聞けるでしょうし、楽しみですね!

 1年目研修医 佐藤

PS 麻酔科はKから始まる先生がバイトの先生含め4人、Wから始まる先生が2人いますから、イニシャルにすると誰が誰だかわかりませんね、、、

2018年06月23日

研修医

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