研修医の声

例えるならだだちゃスープ?

物の色や形を例える時、少し伝わり辛いなーと感じたら皆さんは何に例えるでしょうか。

ふつうは、聞き手がわかりやすいだろう物であったり、あるいはズバリ似ている物に例えたりするのではないでしょうか。

そうした例えも場所なり人なりでより広く伝わりやすい表現というものは異なってくるのが当たり前で、鶴岡市では通じる例えも他県では伝わりにくいものもあるでしょう。

先日、羊水混濁の色調を例える際先生はこう例えました。

「だだちゃスープの色だったろ?」

このフレーズを聞いた際に私はなんともなしに、「ああ確かにな」と思って聞き流してしまいましたが、後日同じフレーズを聞いた際、これまた何ともなしに尋ねてしまいました。

「だだちゃスープって何ですか?」

「え?だだちゃスープはわかるだろ?鶴岡に住んでたならわかるだろう?」

即答されたその答えはまあ確かにその通り、何となくならわかる。

けれど私は思い返してみて気付くのです。

だだちゃスープ食べたこと無い

そう、だだちゃスープなんて食べ物全く持って一般的ではないはず...

いくらか鶴岡を食べ歩きしましたが、未だ嘗て出会ったことがありません。鶴岡のどこでだだちゃスープが食べられるのでしょう。

そんなマジレスを連続した後、先生は看護師の●●さんに聞くのです「君は食べたことがあるよな?」

確かにイメージは出来る、だが「食べたことは無い」という返答でした。

ここまで来ると先生がどこでだだちゃスープを食べたのか気になります。それを口にしてみないことには私は先生のように「だだちゃスープのような色だ」と言うことはできません。

お家に帰ってグーグル先生にお尋ねしました

だだちゃスープ 鶴岡

と。

レシピは引っかかるものの、鶴岡で食べられそうなところは早々引っかかりません。

強いてあげるなら、羽黒のイタリアン:緑のイスキア

F氏に言わせれば、庄内の野菜×イタリアン=最強ということですが、ここはどうなのでしょう。

まだ一度も行ったことがないお店なので、グルメツアーで訪れてみたいところですね。

ただピッツァが有名なところのようで、だだちゃスープ目的で行くのもどことなく失礼な気が...

調べれば調べるほど背中が見えなくなるだだちゃスープ。

どこに行けば会えるのだ...会いたくて会いたくて震える私はお腹が空いていました。

ということで官舎の隣のイタリアン、スカーゼに。

イタリアンだしないかなーと思うもやはりなし。

されどセットメニューに付いてきたかぼちゃの冷製スープが、それはそれは美味しいこと。

ここならもしかしたらだだちゃスープだしてくれそう、一度話しかけてみるかなーなんて思っていると店主のとっつぁんが話しかけてくれました。

「かぼちゃのスープ美味しいでしょ」と。なんてシンパシー。

「美味しいです。ここは地の物使ってて美味しいですよね」

そんな話からしばらく続け、「そろそろだだちゃ豆の季節ですね」と話を振る。

「まだ早いけどね」

とだだちゃ豆の話をいくつかしてくれました。

他にも美味しい品種があること(おつな姫あたりかな?)、だだちゃ豆はすぐ悪くなるから扱いが難しいこと、それ故にスープにするにも手間がかかること。

そもそも何も知らない私達消費者は、緑のスープを見れば「だだちゃスープだ!」と無意識に感じるだけではありますが、実際は「頑張って作ってくれたんだなぁ」と思う方が正しいようです。

また、見方を変えればだだちゃスープを出すところは技術があり、熱意もあるともいえるでしょうか。

色々勉強をして改めて感じるのは、だだちゃスープはより珍しいものだということ。

加えて、とんでもなく美味しいだだちゃグラタンを出すスカーゼはすごいんだということでした。

となれば私がだだちゃスープに出会う為の最短距離は明らかでしょう。

スカーゼに通い詰めて仲良くなり、もう1か月程立った後に来るだだちゃシーズンの頃にいつだだちゃスープを出すか聞き取り、なんならリクエストしてその日に食べに行くほかありませんね 笑

だだちゃスープの色は白っぽいのか、黄緑っぽいのか、緑っぽいのか、、、尚更妄想膨らみます。

そうした期待とは裏腹に、今一番危惧しているのは、その色が先生のたとえ通り羊水混濁そのもので、見た瞬間に食欲が失せることでしょうか。

そればっかりは元も子もありませんね。。これまたマジレスするならば、例えるならば食べ物にすべきではないですよ。食べられない人も出てくる可能性もあるわけですから。

医学用語で便利に、1+、2+、3+なんて表現した方が誰も損しないし便がいいのかもしれません(イメージしづらいものではありますが)

しかして、他に例えるべきちょうどいい表現はあるのでしょうか。

仮に他に例えようにも、より高頻度に食べることがある食品になってしまう可能性の方が高そうな気も。

結局普段食べない、かつイメージしやすいだだちゃスープという表現が的確なのかもしれませんね。

・・・結局、だだちゃスープが何なのかはよくわからないのですけれども。

    1年目研修医 佐藤

2018年07月01日

研修医

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