研修医の声
病院あるあるな話
※オカルトが苦手な方はご遠慮願います。
これは、うちの病院の話では無く、とある病院の看護師さんから聞いた話なんですけどね
その看護師さんは村下めぐみさん23歳(仮称)といいまして、実家がお寺で小さい頃は幽霊が見えたと自称する方なんですよ
最近はあまり感じなくなったものの、それでもどうも霊的体験に立ち会うことが多いそうな。
今日はつい最近の7月の3連休、東京レジナビに行っていた時にあったお話をしましょう。
めぐみさんはその日、3連休にも関わらず夜勤。
せっかくだから休んで友達と遊びたかったなぁと、どうも気分が沈み込んではいたのですが、気分の落ち込みの理由は他にもあるように思えたそうです。
鶴岡市内のお盆は7月13~16日あたりが一般的で所謂旧盆、ご先祖様が一斉に還ってくる時期。
入職してまだ2年目で、夜勤に入るようになったのも今年から。
初めてのお盆の夜勤ということで、どこか身構えていたようです。
そんな気持ちとは裏腹に、いつも通り業務をこなしてもう深夜2時。
ナースステーションでは先輩のベテランナース上田さん48歳(仮称)と、重度の認知の入っているけれどおとなしいおばあちゃんA、脳卒中の既往のあるおばあさんBがいたそうです。
少し眠さも感じながらも、普段からおとなしいAさん、Bさんもいつも通りおとなしく、上田さんと二人で「今日の夜勤は平和だなぁ」と心が緩んできた時でした。
「ピーン」
空調の音しか聞こえていないナースステーションに、聞きなれた音が響き渡ります。
続いて聞こえたのは、エレベーターの開く音。
「こんな時間に誰が来たのかなぁ。先輩の上田さんかなぁ。」
寝ぼけ眼でエレベーターが開くのを眺めながらも、視線を感じた為に隣に目をやり、素朴な疑問を解消。上田さんは他弛緩いいる。
そこでハッとして、エレベーターに目をやるとそのエレベーターには誰もいませんでした。
「よくあるんだよね夜中だと...2階で誰も乗っていないエレベーターが止まるって。」
上田さんの一言にめぐみさんは、「おいおい、そんなことがあるって...」
日中でもデフォルトで2階に止まることはありません。加えて施錠がなされ、自由な出入りも出来ないし時間も遅く、誰かがイタズラをできる状況にありません。
これ以上のことを考えるとなると...何度も感じた嫌な感じがした為、なるたけ考えないようにしたそうです。
しかし、目を背けることは、それは、許してくれませんでした。
A「お母さん、お母さんだ...」
おとなしく寝ていたはずのAさんが、むくっと起き上がりエレベーターの方を見つめはじめます。
上田さん「いないから、ほらゆっくり寝ましょう。」
A「お母さんだ、お母さんに会わせてくれ」
普段おとなしく、認知も相当進んでいるはずのAさんなのにです。
A「会わせろ、そこにいる、会わせろ」と大暴れ。
なかなか不穏を鎮めるのもできません。
エレベーターに誰も乗っていないことにさえ、状況理解が追い付いていないのに、それと同じタイミングで母が来ていると言うのです。
めぐみ「これは本当に幽霊が...」
そう思うも、Aさんは認知症。見えない者が見えることもザラにあることでしょう。
より現実的に物を考えようとしていたところに、追い打ちをかけるように、
B「誰がいっぞ...おい、あの子誰だ」
反応したのは1人ではなく、2人。いよいよ二人も反応するとなると、何かあるのでは...
BさんはAさんに呼応するように、エレベーターを見つめます。
B「おい、おい、、、、、おいっ・・・・・・・・・・」
徐々に言葉が散り散りになると共に、バイタルがどんどん悪くなってきています。
脳梗塞再発...転院先は...これ以上は言えませんね。
一段落するまでにはなかなかの時間がかかったそうです。
・・・
夜が明け、激動の時を乗り越えためぐみさんと上田さん。
帰りのロッカールームで「今日は大変だったね」と安堵しつつ、反省会。
めぐみさん「エレベーターは誤作動でよくあるみたいなのに、たまたま不穏が続いちゃいましたね。こんな偶然もあるんですね。」
上田さん「ねっ、ほんと偶然だったね。お盆だからってやんなっちゃう。」
めぐみさん「Aさんもお盆だって知ってたから、エレベーター見て反応しちゃったんでしょうね。いくら昔の人だからってお盆に御先祖様帰ってくるだなんて、そんなですよね笑」
上田さん「ねっ、今日がお盆だって知っていればいいんだけどね。」
めぐみさん「えっ、どういうことですか?」
上田さん「えっ?だってAさん、今日がいつかなんてわからないよ。認知進んでいるんだもん。」
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その日がいつかも分からない認知症患者が、お盆の日にたまたまお母さんの幻影が見えてしまったんでしょうか。色々わからないことだらけですが、認知症は難しいっていう解釈でいいんですかね。神経内科でがっちり学ばなければいけませんね。
※ ある程度フェイクを入れていますが、話の大筋は全て実話です。信じるか信じないかはあなた次第ですが...私は信じざるを得ない体験を小さい頃に数々経験しましたのでどうも真に受けてしまいます。荘内病院でもこうしたオカルトネタあるんですかね。あるならば是非聞いては見たいですが自分で体験するのは...
1年目研修医 佐藤
2018年07月20日