研修医の声
ACLSは終わらない
シルバーウィークが終わり、ついに念願かなって外科研修の週に。
学生時代回った時は死ぬほど忙しく心も体も疲弊しながらも、その忙しさに満たされていたような気がする。
身勝手ながら先生方の愛も感じ、優しい世界がそこにあった。
さて、実際の私はどうだろうか。
体は疲弊し、忙しさの微塵も感じない毎日に心は疲弊してくる。
むしろ何かしていたい、働きたいと切に願いながらも平日真昼間から公舎でブログを書いている。
外科を回っているはずの私の身に、何があったのか。
―――10月初めの3連休
私は山形市にACLS取得の為泊まり込みで2日間の講習を受けていた。
来月救急を回るし、この時期に持っていないのは不味いと思い立ったのだ。
山形市というのもあり、周りを見渡すと見覚えのある顔ばかり。一言も行くと声をかけていないのにも関わらず、時期を合わせたかのように卒業旅行を共にしたRyunen`sの面々まで。
久しぶりにポリクリ気分で講習を受け、楽しく過ごすことが出来た。
初日はかなりハード、CPRを何度したかわからない。8時間の講習を受けた時には全身気だるさを覚え、早く宿でぐったりしたい気分。
だがそんなことを許さない。「飲み行くぞ」と例の面々からのお声がけ。
翌日テストだし少し勉強を、、、とも思ったが呼ばれたらしょうがない、少しだけと顔を出す。
二日酔いでACLSをサボった同期とも再会し、相も変わらずバカみたいなメンバーとバカみたいな話に華が咲く。とも思えば、結婚だの妊娠だのといい話もちらほらあれば、悪い話もちらほらと。
久しく話さねばそれだけ面白い話があるものです。
美味しい肴がわんさかあれば、お酒もそれだけ進みますが...流石に自重して速めに切り上げ。残りの彼らは...場所を変えて「ギャル」が居るお店にいったようですがどうだったのでしょう。
その日は早く体を休めました。
――――翌日
二日酔いが酷い。そんなに飲んでいないのに、頭が痛くてボーっとする。
明らかに二日酔いっぽいのだが、時間が経っても倦怠感が抜けやしない。
コンディション最悪の中でのACLS二日目。メガコード実習がなかなかに苦痛だったが、気合いで乗り越える。テストも何となく適当に解いて合格したみたいだ。
首筋の熱さは熱っぽい時のそれ。スマートウォッチが指し示す心拍数も常に100越え。
「終わったしこれから何かするか」
と甘い誘いもあったのだが、明らかにvitalが怪しい。
そして命がけの月山ドライブの幕開け。真冬の月山より、全身倦怠感時の月山の方が怖いみたい。
命からがら辿りついた官舎で待っていたのは、BT 38.1 ℃とお疲れ様です。
そこから始まる怒涛の水様下痢ラッシュ。
その時の私は、馬刺しに当たったのかな、ちょっと疲れちゃったのかなくらいの認識しかなかった。
それより翌日七時半病棟に起きれるかどうかの方が不安だった。
軽視していたのだ、私の症状を。この身にとんでもないことが起きているとは、私は知る由もなかったのだから。
一年目研修医 佐藤
2018年10月12日