研修医の声
鍋の季節ですね
もうしっかり冬って感じになりましたが、ちょいちょい晴れた日もあるようで
それでも風はピューピューとこれまたしっかり冬らしい
そんな日に恋しくなるのは、温かい食べ物
たっぷりブロッコリーが入ったシチュー、じゃがいもがドロドロに溶けたカレー
定番の家庭料理
これさえ作ればごはん炊いて終わり~なんてのは主婦の味方に他ならない
こと庄内では徐々に顔を出し始める冬の王様寒鱈(かんだら)
奴は油断をしていると食卓に並びよる
汁かと思えば鍋になったり、普通に焼いても美味しい
小児科のY先生に言わせれば、「本場は身は食わない」
まさにその通り、グロイもの程美味しいのがかんだらの特長か
・・・それとも庄内人が野蛮なだけか
時期を少し遡り、今月入ってすぐの頃F氏にこんな指令が下る
「Fよ、鍋を開けい」
私達は、彼女の言うことには逆らえない
ZINさんだ
ZINさんは私達が最も尊敬する、素晴らしいお方
スクラブをスマートに着こなし、手技もスッとする
彼女の手にかかれば元気の無い子もすぐに泣きだす、元気になるのだ
学生さんとのお別れ会も兼ねての鍋が、F氏の部屋にて開かれる
もうこの頃には学生さんとも打ち解け、部活の後輩ばりに雑な扱いになってしまっていたのだが...買い出しに付き合ってもらった
何鍋をするかはノープランであったが、とにかく魚ばっかりの鍋と、肉ばっかりの鍋を作ればいいのではないか?と頭の弱い着想から、魚ばかりの寄せ鍋と、肉を大量に入れた坦々の路線に
学生さん最後だし、と雑にお魚を買い込む
ブリ、タラ、鮭、タコetc...鍋に入れないだろう焼き魚用の切り身もとにかく適当に
大体入れれば美味しくなるさ
ともすればF氏が呟く
「岩のり...買っていいかな?」
即答で許可した。
間違いなく、彼は岩のりおにぎりの虜になってしまったようだ
どこにいっても出てくる〆の岩のりおにぎり
食べ慣れてしまえば最後、普通の海苔には見向きもしない
まあ岩のりを食べたくなる
地元民でもそう
小さい頃母が飲み会で出たやつ貰ってきたよ、と持ってきた岩のりおにぎりはべらぼうに美味しかったのを今でも覚えている
それ故に、岩のりおにぎりを作って!!!と言うも、なかなかうまくいかない
妥協点として出されたのがもやしとふの味噌汁に岩のりin
これはとまらん、納豆ごはんが進む、進む
味噌汁に入れて底抜けに美味しいのだから、そりゃ鍋に岩のり入れて美味しくないわけがない
いくら鍋の中身が庄内浜を表現しようとしてカタルシスを起こしていても何てことは無い
岩のりさえ入っていれば、No problem
さて、ZINさんがいらっしゃるのを待ちながら、鍋の準備は進む
「自分たちでやります」
学生さん達は率先して動く
さすが、バスケ部、サッカー部
きっと低学年の頃はさくさく仕事をしていたのだろう
何とも手際がいい
私も嘗て主将だったころは...なんて目が細くなったものだ
整形を実習で回っていたのが彼だが、先生指導の元、シーネを手際よく巻いていた
・・・研修医である私はやったこと無いのに、だ
救急で会った際は学生さんでない。私は「先生」と呼ばせて頂いた
respect and respect
徐々に鍋が体をなしてきた頃、私もチーズダッカルビの調理に隣の部屋で励む
ZINさんは見た目がどうもチーズダッカルビを好きそうだから、(半分煽りを込めて)作っていた
この時点では、ZINさんが本当に好きで、なんなら自分で作ることも多く、それを肴に一人飲みをしているなどとは知る由もない。なんとなく、適当にそう思って作り始めたからだ
コチュジャンが無い私は豆板醤と甜麺醤で作ったのだが...気付けば回鍋肉になってしまっていた
「辛くて旨味あればいいでしょ」
なんて勢いで味覇、ごま油、紹興酒も使い始めた辺りで気付くべきだった
いつも好きで作る回鍋肉と何も変わらない
そうこうしているうちに鍋も完成系へ
ZINさんも仕事を終えて到着
この時点で20:00、「早く終わった方」と言うが流石にお忙しい
お酒が大好き、ということで色んなお猪口を持ってきてくださるZINさん
これも写真に収めておけばよかったが...第二回ZINRYU会があった際にすることとしよう
ZINさんという呼称に似合わぬ、小柄でおしとやかな先生
学生さん達ともバカ話をしながら楽しい一時を過ごせました
あんまり学生さんと交えてこうした会をすることって無いだろうが、規模が小さいからこそ今回は出来ました
荘内病院らしくマイペースな感じでした
また来てね学生さんたち!
次は孟宗か、だだちゃ豆の時期に
1年目研修医 佐藤
2018年12月24日