研修医の声

医師国家試験で出そうなネタ予想

「これわかります?」

実習で回ってくる学生さんから飛んでくる我々研修医にとっての無茶振り

受験生時代偏差値50取れる程の勉強をしてない私にとって、優秀な学生さんからの質問はむしろ「聞かない方がいいと思うよ...」と思うほど

F氏は鮮やかに答えるものの、私であればもうすぐ1年が経つ臨床経験から感覚的に合ってる、感覚的に間違ってる、先生はこうやってる、先生はそうやっていないくらいしか答えられない

それでも実際に肌で感じている感覚っていうのは正しいもので、それこそ看護師さんたちコメディカルが説ける問題も医師国家試験には多く含まれる

この問題を見て感じる感性は私はむしろ、解かなくていい問題(適当に選べばいい問題)と、ちゃんと解かなきゃいけない問題(皆当ててる問題)の感覚に全振りしているがせいで、学生さんから質問をされれば「これは絶対に忘れた方がいいよ」問題か、「臨床的にこれは絶対知ってなきゃ」問題かに分類して、前者であれば半ばあきらめムードで考えてしまう...それでも食らいつこうとはします

久しぶりに受験問題を見て考えるのって面白いですよね

去年の今頃であればひたすら何が出るか予想していました

といってもDr.孝志郎の言う通りに勉強していれば100%合格するのが国家試験ですからそんなの要らないんですが。

彼の思考方法をなぞるような問題の解き方のトレーニングをすると、問題の出し方のイメージが掴めてきて、予想する方が楽しくなってきます。

結局...ろくに暗記しないで挑むことになってしまいましたが

彼の予想方法として、それまでの問題で触れられた問題で、とある疾患の治療法を聞かれたのならば、その後の回数でその疾患の概略が問われる、とある解剖問題が出たのならば、その解剖知識を用いる疾患概念の問題がその後の回数で出るとし、400問~500問ある問題の一つ一つを詳細に分析して重要な要素を抽出する

それに習うと去年って内頸動脈海綿静脈洞瘻がめちゃくちゃ熱かったんですよ

前年度でその周囲の解剖学を問われてましたから

また、臨床的な問題に重きを置かれるようになっている傾向から、臨床的によく見る疾患や考え方もよく出るようになってきているようです

1年間臨床に出て、よく見る疾患、ネタをまとめてみますので余裕ある方はチェックしてみてください

NOMI

全身状態が悪い時に謎に腸が腐る病気ですよね。

イヤーノートにも載りだしてて、実習期間中にも見ましたし、最近も聞きましたから、臨床的には見るのにあまり授業で取り上げられない、そろそろ来そうな病気です

・たこつぼ型心筋症

エコーで代表的な所見が見られることで覚えられている為にそのイメージで覚えている方も多いでしょう。しかしてそんな所見を正確にエコーで描出出来るかと言われればそうではありません。循環器専門医レベルでなければ一発で、かついきなりたこだと言える人はいないでしょう。AMI様のECGを見て循環器内科をcallし、STEMIとしてカテして、スカで初めて疑われたりと、除外診断的に行きつく疾患ですし。

加えて低体温症からなったり、脳卒中からなることもありますし、過度なストレスからなることもありますから。

震災等で診断されるケースも増えているようですから、抑えて置いていい病気でしょう

・BAD
よく覚えさせられる3つの梗塞の中に入らない、学生時代ではなじみの無い脳梗塞

しかし実臨床で蓋を開ければ結構な頻度でいる。アテロームとラクナの間、というイメージだけでも知っておいて損はないはず。

失神の原因はまず心臓を疑う

言われれば当たり前ですが、救急外来で続出すると確信に変わります

・TIA とABCD2 score

実臨床で失神で来た時にあると便利なABCD2 score

ぱっと見元気そうな失神のほとんどは神経調節性失神ですが、その中でも本物の失神、TIAなどの危ない失神を疑う時にエビデンスのあるABCD2スコアは重宝します

・肺炎とA-DROP

ぱっと見てヤバい肺炎とそうでもない肺炎はA-DROPそのまま

スコア系って数字だけ見るとイメージしづらいですが、生で見ると本当にわかりやすいです

頭の中でも「もし3点だったら」「その時どんな薬を使おうか」と考えると、確実に「スコア高いと手におえなそう」と思うでしょう

そういう感覚に追いやられるようなスコアは使えるものだとして、覚えておいて損は無いです

・qSOFA

これもまた言わずもがなですが、一発でヤバいと思えるスコア。

sepsis、血培、他のフォーカスの培養、PCTがキーワードになってくるでしょう

4-2-1ルール

輸液ネタで枯渇したら間違いなくねらい目になりそうなところ

生体反応の順番

SGE先生が春にして下さった勉強会のネタ

発熱、WBC、CRPの上がる順番、下がる順番は初歩的ながら抜けそう

帝王切開と鉗子分娩の境界

誰もが知ってそうではあるけれども、実際にどっちも見ると重要に

・脳梗塞に対する抗凝固療法

今回では無いでしょうが、近い未来「抗凝固療法」という選択肢が消えて、rt-PA, アルガトロバン, ヘパリン, ワーファリン, DAPTから一つ選べ、なんて問題もあるかも...

先生に解説して頂き、面白かった覚えがあります

こんなところですかね

この時期ですから、新たな知識よりも今の知識の精度を高めて、解く精度を高めることの方が大事だと思いますが

来年全員が来るといいなー

1年目研修医 佐藤

2019年01月24日

研修医

このページの先頭へ戻る