研修医の声

大山新酒まつり①

2月9日  鶴岡市は大山で行われました大山新酒まつり

大山は鶴岡市民ならだれでも知ってはいるが、他地域ではなかなか知られてはいない酒蔵の街

俵雪

和田来

ゼブラ

十水

それぞれの酒蔵の、聞いたことがある銘柄を1つずつ並べてみても、錚々たる面子だ

今回はどう考えても行かない選択肢はないハズなのだが...如何せん連日のICU修行でお酒を飲みに大山に行くのが怖くてしかたなし

おおよそ呼ばれたら行かねばならないが...とりあえず細かい指示を書いて色々説明して上級医に相談してお許しを得た私

一か月ぶりの土日だ

Sも得たようだし、Fは小児科だから土日フリー

「チケット2枚あるけど」

病院関係者伝いで懐に転がり込んできたチケット、こうなれば準備は万端だ

しかして行こうとしているのは3人...1枚足りないそんな時、ちょうど回って来ている学生さんの伝手で偶然ゲット

しかしてこのチケット、少し不安要素が...

大山新酒まつりは4つの酒蔵を回っていってそれぞれで新酒を頂き、口車に乗せられて買ってしまうイベント

この4つの酒蔵を回る順番も決まっており、最初の酒蔵からおおよそ時計回りのようになっている

初めに買ったチケットはどちらも羽根田酒造から

すなはち学生さんの伝手のチケットが他だったら...3人仲良く回れません

確率は1/4でしたが...上手いこと一緒の場所からでした!

Sに言わせれば「1/4なんて100%と一緒でしょ」意外とその通りです

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ということでバスを乗り継ぎ、大山の土地へ

まずは羽根田酒造

ここの代表酒は俵雪

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どこの酒造も大行列

実はこれはまだ序の口、玄関までの300m位は行列

辿りつくには30-40分はかかる

風は吹かないものの、雪が降っていて、厳寒の鶴岡をしっかりと形作る

しかし、このイベントの主催者も考えているのだ

寒さの中これだけの人数を放置して、皆を高血圧、脳出血、失神なんかにさせてはいかんと無料配布する

そう、この寒さの中で最強の美味しさを誇る、一般酒の熱燗

大吟醸、吟醸クラスの高級酒に慣れてきた昨今、一周して一番安い酒の熱燗が美味しいのでは?と思うことがたびたびある

醸造酒でも味があって美味しい、鶴岡ならではの旨口酒が多いのだ

それも熱燗が美味しい最強のシチュエーション――――それこそが寒空の中なのだ

大山新酒まつりでは吟醸酒を楽しみに並びながら、無料配布される熱燗を堪能する

慣れているドランカーならつまみを持っていき、近い並びの人たちに声をかけてわいわい楽しくしていた

かくして私達は始まりの酒蔵へと到着する

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こいつは、ばえるばえる

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羽根田といったら俵雪

かこで飲んだしぼりたて生酒がめちゃくちゃ美味しかった

ここのお酒は芳醇旨口の中でも旨口が強い

それでいて残り香が強くて「酒酒しい~」感じ

中でもこの日試飲した中で美味しかったのが俵雪・雪若丸俵雪・つや姫

俵雪・雪若丸は味がはっきりとしていて、甘味の中に味の輪郭が力強く残る

俵雪・つや姫は飲みやすくて後味すっきり。炊いたお米と同じような感じで、米臭さが無いまでも甘味が柔らかい

最初に回った酒造でいて、俵雪の美味しさに出会ってしまった

やっぱり飲み比べて初めて気付くし、昨夏の庄内酒まつりでは俵雪も和田来も美味しくないと思ってたけれど色々飲みなれてきて鶴岡の酒の味が分かってきたところで、このような飲み比べですよ

誰でも絶対に美味しいと感じられる

テレビカメラの前で「何飲んでも美味しい~~~最強ですよ~~~」

と喋ったが、それ位思える程に最初の蔵がクライマックス

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ノータイムで買いましたがね

次なる酒蔵は渡曾酒造、和田来を待ちながら、熱燗と冷やを交互に楽しむ

幸せなんじゃ~~~~~~~~(⌒(ノシ >ω<)ノシ

そうこうしている内に知り合いとちょくちょく出会う

「あっ、当院のPTだ」

「あっ、小中の同級生のPTだ」

「あっ、Drだ」

みんな来るよねそりゃ

1500円でこんだけ楽しかったら

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渡曾酒造は先に書いたように和田来のとこ

度数がそんなに高くないのかな、結構サラリと飲めるような感じ

でも後味はうまうまの旨

つまみなんていりません

普段は酒蔵資料館みたいな感じで、入館料100円らしいのだが、今回はこのお祭りに際して入場が無料

それでいて和田来の試飲まで出来るのだからこのイベントお得すぎ

ここの大吟醸あまり見たこと無いのだけれど本当に美味しい

もっと人目につけば人気なること間違いないのに

「うんめーーーー絶対のんだほいいぜーーー」

30半ばくらいの集団が顔を赤らめて、のれんの奥から出てくる

右手にはカップ酒の瓶を持ち、なみなみお酒がついである

どうも普通のものとは違うらしい

「えっ、それ何?」

「有料試飲もやっています、蔵でしか飲めません」

「いくっきゃないっしょ」

Sの掛け声に便乗し勇んでのれんの奥に行く

のれんの奥はお酒の倉庫

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酔っ払いで密度の高かった空間から一転して、スーッと透き通るような空気が漂うその倉庫はむしろ天然の冷蔵庫といったところか

無造作に置かれた机の上に並べられていたのは、殺風景に似つかない高級酒を匂わす高貴なデザインの3本

それぞれ大吟醸生、熟成酒、袋吊り

袋吊りなんて、ぽたぽたやるからお酒もストレスフリーで雑味が出ない、そんな説明を米沢東光の見学で聞いたことがある

カップになみなみつがれてF氏は呟く、「全部は飲めないな...」

そりゃそうだ、一合はある

ここまで調子こいて飲んでいたのだから、三合くらいは入る計算

そこまで来たら大概酔っ払ってくるもの

しかし、そんなものは関係ない

めちゃくちゃ美味しいんだなどれも

袋吊りなんてビックリした、一升一万するとは聞いたけど、もっとしてもいいんじゃない?と思うくらいに澄んでいて雑味が無い

一回は飲んでみるべきお酒ですな

今度来て買わねば、親戚の飲み会なり、部活の後輩にどや顔で買っていこう

そして言うのだ、「これ蔵元限定らしいから、鶴岡に酒造見学にきなよ」と

そのついでに荘内病院も見学させて...流石に怒られますかね

隠して二つの蔵を制覇した私達

FとSは大分満足しているが...私の本命にはまだ出会っていない

そう大山、栄光富士がまだなのだ

大山の生酒、十水、新などなど、私が好きなお酒がいっぱい残っている

この続きは、次回へ

1年目研修医 佐藤

2019年02月11日

研修医

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