研修医の声
整形大分過ぎましたね
整形ももうすぐ終わりです
毎朝早起きして、せっせと体を動かして、それも内科知識のかけらも使えない、教科書もろくに使えない、新しいことづくめの毎日
頭めちゃくちゃ使います...
先生方のロジックを読み切ったと思えば、全く読めない筋からの「これした方がいいよ」の一言ですからね
自分なりの整形診療のアルゴリズムを組みきるのは一か月じゃ足りなそう
自信を持ったと思えば、すぐ不安になってしまいますからね
とりあえずはヤバいやつはヤバいとわかるようになりましたから、上手いことコンサルトは出来るようになってきたと信じたい...
初めてのことと必ず出くわす救急外来
臨床で無ければわからない、疫学という考え方はなかなかに経験次第といったところでしょうか
身体も頭も午後になればくたくたで
手術も学生時代手の手術と肩関節の関節鏡くらいしか見たことないですから、見慣れていない光景の連続
それでも勉強して、先生からのスーパーアシスト込みで一度頸部骨折の執刀をさせて頂きました
無事に問題なく終わりホッとしていましたが、実際やってみないと分からないことだらけ
外から見ているのと、実際にやるのはあまりに違います
それも症例によって毎度状況が異なりますからね
画像だけでは完璧にわからないのに加えて、その時々でノーミスを求められるわけですから
傍目に見てて、ひょうひょうと上手くいくなぁ~とは思っていましたが、その領域に至るまではいっぱい勉強していっぱい経験積まねば無理でしょう
そんなこと思いながら、見るのをメインで手術に入っているのも疲れるわけで
整形はイメージを使いますから、プロテクター&ガウン
めちゃくちゃあつい...汗だくですよ
身体が疲れます
それでも定時過ぎぐらいには上がらせて貰えるからまだ休む時間はあるものの、上の先生方はこれに加えて病棟業務、呼び出しまでとなると...体力どれだけあるのやら
稼ぎ頭の科であるにしても、楽して稼げる訳では無い、と
ひっきりなしにくる患者さんをひっきりなしに治療していく先生方を見ているとスーパーマンにしか見えません...
眠そうにしている姿さえ見たことありませんからね
これまで回った科と比べても明らかに異質なのが整形ですが、やっていることの本質もこれまでとは全く違いますからね
というのも、整形外科って医学の中でもかなり珍しい「元通りに最も近い」状態を目指す学問ですからね
腰が痛いから腰が痛くならないように
骨が折れたから骨がくっつくように
関節が動かないから動くように
何かを失って、何かを得るわけではないわけです
例えば外科であれば、
癌があったからそこを切り取る、それも少し大きめに。それによって取った部分の機能は無くなってしまう
ガンは治る病気である臓器が最近では多いようですが、そのために失うものもある、と
元通りでは無いですからね
手術のやりがいとしても、目に見えて良くなるのもまた整形ですから、ひとしおでしょう
また、小児科も整形同様に治るもの、治ることが多いイメージですね
子供の再生能力ってスゴイですから
と言ってもまだ小児科を回っていない為、そんなイメージを持っていることが恥ずかしくなるような場面があるやもしれませんが...
医師が皆目指す、「患者さんの機能を損なうことなく、健常時に限りなく近づけよりよくする」をめざせるのが整形・小児でしょうか
整形の手術なんかは超絶物理、モノづくりの世界みたいなものですから
トンカチトンカチしてる世界ですよ
手術中の行程を眺めていても、よくもこんなにきれいにできるものだな、と、一種の作品のように綺麗に仕上がっていくものです
そうして、手術を見ていても、外来を見ていても、本当に良くなる方がいる
それが高齢者であっても、ですよ
これって素敵ですよね
整形外科を勉強する前、高校生の時なんかは整形と言えばレントゲン撮って電気当てて、やたら患者さんが来てて開業医儲かるイメージしか無かったですが
荘内病院に来る患者さんは身体が動かせなくて、レントゲン撮って、治療が必要な、痛みの訴えが強い方がいっぱい来ますから
汗かかないと治療出来ない患者さんばかり
医学やってなかった時の自分が恥ずかしい限りですよほんと
しかして、検査して送ってくれる開業医さんが居ないと始まりまらないし、荘内病院パンクしますから
現行の開業医さんとの連携も上手いこと機能していてすごいなぁと素人感
かくして治療をした、両股関節共に人工関節でシャキシャキに歩いている患者さんを見ていると感動ものですよ
これまたすごいなぁと素人感
これを見た後だと他の科を回っている時に「もっと良くならないものだろうか、、、」と思いそうですが
それであっても、どの科でも見どころはありますからね
残り少ない時間ですが、整形を満喫します
春から整形をしっかり診れるようになっていますように
1年目研修医 佐藤
2019年03月22日