研修医の声
春眠暁を覚えず
春眠暁を覚えず
最近ERで度々耳にする言葉
SOAPで端的に略し、用語にすれば春暁+
冬を越え気温が10℃台に乗ることがザラになってきた昨今であるが、まだ身体は春仕様に仕上がっていない
その証拠にどことなく体に違和感を覚える人も多いのでは無いだろうか
鼻水が出る、謎にくしゃみが出る、少し寒いかも
花粉症なのか風邪なのか、良くわからない不定愁訴
体そのもののホメオスタシスの少しの崩れが微妙な体調変化に出てきている
一言でいえば自律神経のささいな乱れか
ER研修中に先生が良く説明で用いていた失神プリントが今大活躍しているよう
失神が主訴ながらrule outを続けていけば最後に残るのが、これだろう
ans uncontroled with 春暁
syncopeは血圧、体温のバランスの調節の失敗で起こる
とプリントには記載されているが、まさに体温の調節が最も難しいのがこの時期だろう
春夏秋冬の中でも最も振れ幅が大きいのが冬→春
下手に厚着をすれば汗をかいてなんだか寒い
だからと言って薄着をすればどこかしか寒気を感じる
外気温が不安定だからこそ体温の調節も難しい
となれば自律神経もてんやわんや、いたるところで本調子でない
やはり鶴岡の気候は人間の身体に厳しい、か
しかして、まさしく春暁+という表現がキレイにまとまっているような気がする
さすがER、地域密着型救急を謳うだけあって素晴らしい表現がひょいと出てくる
おおよそ似たような気候の地域であれば春暁に伴う失神を一言で表すような表現であったり、独特の対応方法が確立されていることだろうが...春暁+ほどスッキリしているものは他に無いだろう
――――
かくいう私もまさに春暁+
寝坊するわけではないが、どこか体調が本調子でない
器質的疾患によるものではないにしろ、久しぶりの鶴岡での1年に未だ体が順応できていない
寒いのか暖かいのか、どっちかにして欲しい
しかして、こうした気候が育ててきたのが鶴岡の食文化
ユネスコに認められた鶴岡食文化の春がいよいよ始まる
私が必ず食べなきゃいけないもの、それは
アスパラ
孟宗汁
だ
特にアスパラは飽きるほど食べねばならない
ひたすらアスパラを食べたい
アスパラを焼いたのを食べたい
アスパラを茹でたのを食べたい
あとブロッコリーも食べたい
ついでに、母が茹でたぐちゃぐちゃのブロッコリーにマヨネーズをかけて食べたい
でもアスパラが食べたい
ベーコンアスパラ巻きが食べたい
地物のアスパラを出している居酒屋をひたすら回ってアスパラだけヘビーループしたい
お腹が空いた
やっぱり夜中に食べ物を考えるものではない
しかしてこれもまたANS uncontroledか
春暁はトレンド
1年目研修医 佐藤
2019年03月27日