研修医の声
ふとテレビを付けたら救命病棟24時
なーんにも見るものが無いしやりたいことも無い
そんな時でなければもはやテレビを付けなくなってしまった私ですが、こういう時は何も考えずBS
この前付けたら懐かしいものが
救命病棟24時
ちょうど私が小学生の時、江口全盛期の頃やっていた医療ドラマ
1期の時は母に起きていてでも見ろ、と当時小2とかその辺りだったろうに見た記憶が今でも尚
確か心臓のopeとかSAHがネタで、なまじかかじっている母の簡素な解説を聞きながらすげー世界の話をしているんだなー、すごいなー、と今思えば医療関係に就かせたいという洗脳教育を受けていた私
看護師さん達によく聞かれる「なんで医者さなろうと思ったな?」
という問いには、多くは母親の救命病棟24時洗脳教育の結果です、と答えていますが実際影響は大きいかと
(でも実際はある程度学力が付いてきていて、頑張れば医学部に受かりそうだから良い目標として設定した、というのが進学校の医学部志望者のあるあるかとは思いますがね)
いいですか、子供を医療職に就かせたいなら医療ドラマを小さいころから見せましょう!ナースマンとかナースのお仕事とか僕の診断は絶対だとかバチスタの緊急オペェ!?とかいっぱいありますからね
話を戻して、たまたま見たのは第2クールの7話
調べれば2001年の作品です
もう18年は昔の話...となれば今の医療と全く違うのは明らか
加えて私も今の医療をある程度かじってるわけですから、かなり新鮮な気持ちで見れました
まず序盤からして面白い!
COPD急性増悪の患者が運ばれてきて、宮迫が「気管挿管や!」と盛り上がってる最中、
「BiPAPだ!」
一同「ふぇっ...?」「何それ...知らねぇ」
ええええええええええええ
今や普通に使われてますよね、当時最新だったものが今や学生レベルでも当たり前なデバイスですからね
昔はきっと医療者が見ていても「何やそれ!挿管やないのか!」と、あれを見た研修医が翌日議論していたに違いないでしょう
また舞台となる救急も3次救急、病棟もしっかり持っていますしICUの管理もしている
現在県内でもそこまで救急が機能している病院なんて一つあるかないかなのに、舞台となっている場所は今でも誇れるレベルの超最先端
ERで手術まで出来る施設ですからね
しまいにゃPCPSまで回してますから、伊藤英明は随分いい研修病院で研修していますよ...生命保険が医局に自由に出入りできるガバガバセキュリティーだけど
また、こればっかりは時代なのかもしれませんがスタンダートプリコーションが全くなってない!
ナースキャップなんて汚物を被り、誰もマスクしないし手袋も全然!汚いよみんな!
それに普通のサンダルはいてて、血を浴びそう。穴なしクロックスのがいいのでは?
そんなツッコミしていると「昔はビニール手袋さえケチってた」と母のコメント
患者に触れる時はマスクして手袋して~なんて当たり前で昔から誰でもやってそうなことでも、歴史の中で定着していく何らかのイベントがあったんだなと伺わせる
また、移植問題、DNRにも触れていてたった1話の中にも密度が濃い
メッセージ性高い作品で色々考えさせてくれますね
少なからず何も知らず、ただ受け入れる他無かった小さい頃と比べて今見るのとでは見え方が全然違う
その中でも各疾患ごと試験の中で問題となる点と、実臨床で問題となる点は異なりますし、おおよそ職種ごとでの見え方も大きく異なってくることでしょう
そこで私閃きました
荘内病院のオリエンテーションに組み込めばいいんですよ、救命病棟24時第1クール~第3クール視聴を
全職種合同で視聴後に感想、考察をぶつけ合わせて、時代背景と疾患別の問題点を各職種ごとの着眼点を持ってすり合せて解決法を模索していく
これはまさしく、高い倫理観と、他職種を尊敬すべきとした、院長10箇条に該当しますからこの上ない方法でしょう!
さっそく臨床研修委員会で進言さねば!名案だ!
しかし
「救命病棟見てる時間があるなら、救急入った方がいいんじゃない」
と一蹴される未来しかありませんが...
臨床経験に勝るものはありませんからね
とりあえず全クール見返したいですね、時間があれば...
2年目研修医 佐藤
2019年05月04日