臨床工学室

  • 基本情報
  • 業務内容

概要

目ざましく進化する医療、そこには医療機器の飛躍的進歩が大きく関わっています。
医療現場では高度に専門化した医療機器が多数使用されております。
私たち臨床工学技士は、医学と工学2つの知識を備え、生命維持管理装置をはじめとする医療機器のスペシャリストとして、様々な領域で質の高い効率的な医療を提供するためにに存在しています。
臨床工学室は1996年4月に設置されました。スタッフは室長1名(医師)、臨床工学技士16名で構成されています。

* 臨床工学技士(Clinical Engineer : CE) という医療職種は、医師以外の診療補助に従事する看護師や各種医療技術者と同じメディカルスタッフです。厚生労働省認定の国家資格で厚生労働大臣の免許を受け、人工心肺装置や人工呼吸器などの命に直結する医療機器の操作、保守、点検などを主に行います。

関連リンク

臨床技術提供

手術センター業務

手術センタ-には多くの医療機器が配置されています。全身麻酔器、生体情報モニタ、手術用顕微鏡、高周波メスや超音波メスなどに加え、各診療科の専門性のある高度医療機器に取り囲まれております。
近年手術方法は大きく変遷し、特に内視鏡を使っての手術は飛躍的に発展しました。切開創が小さく低侵襲ですが、内視鏡手術システムや専用手術器械を使用するため、その機器の安全性確保と円滑な手術進行は必須となっています。しかし、手術中の医療機器不具合は必ず発生するので、我々には迅速な対応と的確なトラブル回避が求められています。
手術センタ-では麻酔科医、各診療科医師、看護師等と連携し、安全・安心な手術を追求していきます。

血液浄化療法センター業務

血液浄化療法センタ-には9名の臨床工学技士が配属され、看護師と共にシフトを組んで夜間透析(準夜勤務)も行っております。47台の透析装置で約150名の透析患者さんに対し血液浄化療法の技術提供を行っています。通常の透析(HD)に加え、血液濾過透析(HDF、オンラインHDF)や顆粒球吸着療法(G-CAP)等のアフェレ-シスにも対応しています。
そして、日々の透析装置のメンテナンスと厳格な透析液管理はもちろんですが、透析装置オ-バ-ホ-ルのときは各スタッフが1人1台、1日をかけて責任をもって行います。

集中治療センタ-業務

集中治療センタ-は、ICU6床、HCU9床、加えて8床の救急ベットを備えております。急性期医療を担う当院には、虚血性心疾患・脳卒中・交通外傷など様々な病態の方が搬送されてきます。使用される医療機器は、人工呼吸器、補助循環装置(IABP・PCPS)持続血液浄化装置(CHDF・PMX・PE・PA)、除細動器などの生命維持管理装置をはじめ、生体情報モニタ、輸液・シリンジポンプ、脳低体温装置、患者加温装置など多種多様です。
医師や看護師、栄養士、薬剤師、理学療法士など、多職種連携で業務にあたっています。
呼吸サポ-トチーム(RST)が要となって活動を行っています。

新生児集中治療室業務(地域周産期母子医療センタ-)

当院NICUは、NICU6床、GCU6床からなっています。そして当院は、庄内地区唯一の地域周産期母子医療センタ-の認可を受けております。1000グラム以下の超低出生体重児にも対応すべく、新生児人工呼吸器、閉鎖式保育器の保守・管理・運用を担い、NO吸入療法装置の管理や脳低体温療法の支援、生体情報モニタや経皮モニタ、超音波診断装置、新生児脳波計や聴力測定装置の管理など、多岐にわたって関与しています。また、未熟児の気管支内視鏡の診療補助や新生児に対するCHDFやPMXも経験もあります。

心臓カテ-テル業務

主に虚血性心疾患(急性心筋梗塞・狭心症)では、緊急に冠動脈造影が行わ、冠動脈形成に発展いたします。臨床工学技士は、医師の診療補助として冠動脈血管内のエコ-の準備や操作、ガイドワイヤ-や冠動脈ステント等の準備、徐脈時には体外式ペ-スメ-カの準備と操作、病態によっては大動脈バル-ンパンピング(IABP)や経皮的心肺補助装置(PCPS)の準備・操作を行います。心臓カテ-テル検査は、夜間休日を問わず24時間緊急対応で臨床工学技士が強力にサポ-トいたします。

ペースメーカー業務

心臓の動きが極端に遅いなどの場合、電気刺激を行うペ-スメ-カ-が体内に植え込まれます。植え込みの際には、専用のプログラマ-という機器を用いて動作のチェックや設定の変更を行います。植え込み後は入院棟においてのチェック、退院後はペ-スメ-カ外来でのチェックを行います。時にペ-スメーカーやICD植え込み患者さんの外科的手術、内視鏡的粘膜切除の際は、高周波メスの使用による誤作動防止から設定の変更や立ち合いによる安全確認を行います。加えて、条件付きMRI対応ペ-スペ-カ-の撮像時にも、設定の変更と撮像中のモニタリング監視を行って安全管理にに努めています。また、ペースメ-カ-遠隔モニタリングシステムでは、導入時に患者さんとご家族への説明を十分に行い、レポ-トの作成など医師の診療補助としてサポ-トしています。

医療機器管理(中央貸出し)

院内共通の医療機器を効率よく運用するために、医療機器の中央管理を行っています。当院臨床工学室では、2003年からME管理システムを導入しています。現在2代目のME管理システムメッツMEア-クを採用し、理想的な医療機器管理が可能となりました。また、タブレット5台の配備により、院内あらゆる場所や場面で医療機器の照会や入力ができ、ICUでは輸液・シリンジポンプ等の日常点検が効率よく適正に行われるようになりました。現在MEアークへのME機器登録件数は230品目、3200件で、日々更新されています。
また、臨床工学室には各種医療機器を点検するための測定装置が多数配備されております。輸液・シリンジポンプの流量精度及び閉塞圧を測定する装置、血圧計の適正圧を測定するデバイスやパルスオキシメ-タテスタ-、人工呼吸器を点検するフロ-アナライザ-や除細動出力測定装置、電気メス解析装置など様々ございます。日常点検、定期点検を適正に実施することで、クオリティの高い医療提供に努めています。

医療機器に係る院内教育

院内で一番多く保有し使用される輸液ポンプ・シリンジポンプについては、インシデントレポ-トの提出も多く、毎年2月に全部門対象の医療機器安全管理研修会を開催し、適正使用について確認しております。また、心電図モニタについても、全体研修会として企画いたしました。
そして毎年5月には、医療安全管理室とタイアップし、看護師、臨床工学技士の新人職員を対象として実機を用いた輸液ポンプ・シリンジポンプの講習会を開催しております。その他、各部門ごとの勉強会や講習会、新規導入医療機器の講習会、インシデントやアクシデント発生の医療機器講習会などを開催するなど、医療機器教育の中心を担っております。

医療機器選定

医療機器選定委員会の中枢を務め、各診療科、各部門、各種委員会等から出される購入要望機器に対し調査、検討を行います。各診療科については主任医長等と協議、また、各部門についても使用頻度や費用対効果、医療安全効果など様々な角度から分析・検証し、医療機器選定において助言を行い、購入ランク決定等の有効な資料にしていただきます。

医療機器貸出スペース

医療機器貸出スペース

人工呼吸器点検

人工呼吸器点検

人工心肺操作

人工心肺操作

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