漢方内科
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はじめに
皆さんは「漢方」をご存知ですか?「漢方」とは、古来中国から伝わり、日本において独自に発展してきた伝統医学です。国内に伝来して以来、日本人の身体や気候に合わせ、日本流に改良されてきました。身体の一部にスポットを当てるのではなく、体質や生活習慣を見直すことにより、身体全体のバランスを総合的に整えることを特徴としています。この漢方医学に基づき処方されるのが「漢方薬」です。「漢方薬」は、自然界にある植物や鉱物などの生薬を、原則2種類以上複数組み合わせて作られます。二千年近い年月をかけて蓄積された治療経験によって、どの生薬を組み合わせるとどんな効果が得られるか、また有害な事象はないかなどが確かめられ、漢方処方として体系化されています。
こんな症状の方はご相談ください
- ・冷え性・更年期・不眠症・神経症・自律神経失調・手足のほてり・体力低下・アトピー
- ・喘息・にきび・肌のくすみ・頭痛・めまい・肩こり・むくみ・腰痛・関節痛・神経痛
- ・頻尿・慢性副鼻腔炎・蓄膿症・中耳炎・口内炎・歯周病・機能性胃腸症・肥満・便秘
- ・がん治療の副作用と思われる症状・虚弱児など、小児の体調不良全般
当科の特徴について
日本東洋医学会研修施設(教育病院)に指定
外科・小児外科出身の漢方専門医(前任地の久留米大学医療センター先進漢方治療センターで10年以上、漢方外来を担当)が外来を担当し、日本東洋医学会指定の研修施設(教育病院)にも指定されています。
自然治癒力などを用いたアプローチ
「漢方内科」では、患者さんの心身が発する症状などから病気の全体像を捉え、新陳代謝と自然治癒力などを用いた身体全体へのアプローチを行います。
漢方医学的診察法の紹介
漢方独自の物差し
漢方には特有の"物差し"があります。その"物差し"により、患者さんの体質や症状に適合した漢方薬を専門医が見極め、処方します。その"物差し"として代表的なものが、「証(しょう)」と「気・血・水(き・けつ・すい)」です。
●「証」
その人の状態(体質・体力・抵抗力・症状の現れ方などの個人差)を表すもので、本人が訴える症状や、体格などから判別します。「証」の分け方の一つに「虚・実(きょ・じつ)」があり、体力がなく、弱々しい感じの人を「虚証(きょしょう)」、体力や抵抗力が充実している人を「実証(じっしょう)」といいます。同じ症状でも「証」が違えば、処方される漢方薬も異なってきます。
●「気・血・水」
不調の原因を探るための物差しです。生体は、「気・血・水」の3つの要素が全身をうまく巡ることによって健康が維持されており、これらが不足したり、滞ったり、偏ったりしたときに、不調や病気、障害が起きると考えられています。「気・血・水」の状態を診て、どこに問題があるかを探り、適切な漢方薬処方の手掛かりとします。
四診(ししん)
患者さんへ適切な漢方薬を導きだすために行われる漢方独自の診察法を、「四診」といいます。
●望診(ぼうしん)
顔色や表情、態度、姿勢、体型などを診ます。舌を診る「舌診(ぜっしん)」も行います。
●聞診(ぶんしん)
声の大きさやトーン、話し方、咳の出方、痰のつまり方、呼吸音などを聞く診察です。体臭や口臭を嗅ぐこともあります。
●問診(もんしん)
自覚症状や、これまでにかかった病気、食べ物の好み、ライフスタイル、仕事、月経の様子など、可能な範囲で教えていただきます。
●切診(せっしん)
患者さんの体に触れ、その状態を診ます。大きく分けて、脈を診る「脈診」と、腹部を診る「腹診」があります。